【給料】公務員の待遇・福利厚生は充実してる?隠れた報酬の正体とは?

今回は、公務員の待遇は本当に充実しているのかというテーマでお届けします。奥田本に書かれた「公務員の待遇のポイント」に筒井先生がツッコミを入れながら、年収・昇給・ボーナス・残業代・各種手当・退職金・リストラ、そして「隠れた報酬」の正体まで、元公務員の奥田先生に伺いました。

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【給料】公務員の待遇・福利厚生は充実してる?隠れた報酬の正体とは?

奥田本の「隠れた報酬」とは?

【筒井】
公務員試験という超ニッチな市場の中でも、さらにニッチな社会人採用に特化したウルトラニッチ市場で、6000部を突破して1万部に迫ろうという大ベストセラー、奥田本。その18ページに「公務員の隠れた報酬」として、こう書いてありますよ。

また、この他にもこんなにもらえるのかと思えるものも存在しましたが、紙幅の関係もあるため、興味のある方は私と会った時に直接聞いてください。

筒井夢人
筒井夢人

これは完全に、「私は真に驚くべき証明を見つけたが、これを記すにはあまりにもこの余白は少なすぎる」というフェルマーの最終定理と同じやり口ですよ。隠れた報酬なんて、本当にあるんですか?

奥田恭央
奥田恭央

めっちゃ読んでくれていますね(笑)

筒井夢人
筒井夢人

はい、もうがっつり読みましたよ。

奥田恭央
奥田恭央

たしかに書きましたね。コラムで、公務員には実は給料以外にいろいろな報酬があるというところで、「本には書けないけど、他にもありますよ」と言いました。

【筒井】
でも、本当にそんなものがあるのか。そもそも、公務員の待遇や給料は本当にいいのか。今回は、この奥田本を徹底的に追求してツッコミを入れていく会にしたいと思います。

奥田本の「公務員の待遇のポイント」を検証

【筒井】
まずは皆さん、奥田本の17ページをお開きください。社会人受験生で奥田本を持っていないというのは、キリスト教徒が聖書を持っていないのと一緒ですからね(笑)

17ページの真ん中から下にかけて、「公務員の待遇のポイント」が表になっています。ここにツッコミを入れていきましょう。

年収:平均650万〜700万円は本当?

筒井夢人
筒井夢人

まずは年収です。「国の統計調査によると、公務員の平均年収は650万〜700万円ほど」とあります。国家公務員と地方公務員のどちらも経験なさっている奥田先生の肌感覚として、「たしかにそのぐらいかな」というところはありますか?

【奥田】
まさにその感じですね。だいたい700万円前後、規模が小さい自治体だと600万円台後半かなと思います。

ただ、これも本当にバラバラで、消防や警察などの公安職だと、もっとドンと増えます。あとは特別区(東京23区)ですね。地域手当が20%あるので大きいんです。

少し脱線しますが、僕が中野区役所にいたとき、30代後半の先輩が管理職の課長になったんです。その先輩が「奥君、給料、大台に乗ったよ」と教えてくれて、「あ、1000万円いったんだな」と思いました。

特別区などの場合は、課長になれば30代後半でも1000万円いくんです。自治体や規模によって違いますが、全体をならすと600万〜700万円ぐらいが平均かなという印象ですね。

筒井夢人
筒井夢人

平均年収650万〜700万円は、民間と比較するとやっぱりすごいものがあります。年収に関しては、奥田本に嘘偽りなし、ということですね。

奥田恭央
奥田恭央

ありがとうございます(笑)

昇給:景気に左右されず確実に上がる?

筒井夢人
筒井夢人

次は昇給です。「景気に左右されず確実に昇給していく」とあります。民間にお勤めの方だと「うちの会社じゃありえないよ」と思う方もいると思いますが、実際はいかがでしょうか?

【奥田】
最近だと人事評価制度で、クビになるレベルのものすごい評価を受けて上がらない、という例外はあるかもしれません。ですが、普通に働いていたら、景気に左右されずにみんな昇給していきます。

私が公務員になったのはリーマンショックの後でしたが、そういうときもちゃんと上がっていきました。基本的に公務員の給料は、大きな成果を出さなくても毎年上がっていきます。

【筒井】
これはGravityの受講生でも驚く人が多いですね。「本当に毎年上がっていくんですか」と。確実に昇給していくというのは不況にも強いですし、安定という意味では大きなメリットだと思います。

ボーナス:下がることはある?

筒井夢人
筒井夢人

次はボーナスです。「近年の年間ボーナスは月給の4.6か月分程度」とありますが、直近では国家公務員が4.65か月、特別区は4.9か月でしたか。全体的に水準が上がっています。一方で「減ることってないの?」と気になる方もいると思いますが、いかがでしょうか?

【奥田】
ボーナスは下がることもあります。むしろ上がってきたのは近年の傾向です。

僕が国家公務員になったリーマンショックのころは、毎年少しずつ下がっていました。1年目のときに上司が「ボーナスが上がることは、僕らが退職するまでないんだろうな」とぼやいていたのを今でも覚えています。当時は5年連続で下がっていましたから。

ただ、1つ言えるのは、ガクンとは下がらないことです。いきなり半分になることはなく、下がるときは0.1か月分ずつなど、小さい下がり方です。その分、大きくも増えないのですが、下がり方も小さいのが公務員の特徴ですね。

筒井夢人
筒井夢人

良くも悪くも、ボーナスが安定して入ってくるということですね。民間だと「景気が悪いのでボーナスはゼロ」というのもザラにありますから。

奥田恭央
奥田恭央

ありますね。公務員はある程度将来の収入が見越せるので、住宅ローンや自動車ローンを組みやすいというのもありますよね。

残業代:「原則」支給される?

筒井夢人
筒井夢人

次は残業です。「原則、残業代は支給される」という、非常に含みのある霞が関文学のような表現ですが(笑)国家公務員と地方公務員とで事情が異なるのでしょうか?

【奥田】
昔よりだいぶ改善されたと国家公務員時代の同期から聞いているので、今は違うかもしれませんが、僕のときは国家公務員で残業代が出ないことが結構あって、それが当然だったんです。

市役所や特別区に転職したときに驚いたのが、ちゃんと残業代が満額出ることでした。一部の国家公務員では、残業時間をつけられない、つけても満額は出ないという話も聞きます。出ないこともある、という思いで「原則」とつけさせていただきました。

筒井夢人
筒井夢人

教え子や知人からの肌感覚でも、地方公務員はしっかり出ているというのは確実にありますよね。

【奥田】
ありますね。特に市役所は地域のお手本にならなければいけないので、コンプライアンスを守る意識が強いんです。

ただ、地方の本当に田舎だと、上司のきつい指示で残業をつけられないこともあるらしいです。逆に東京都内の自治体で「残業代は出ません」というのはないと思います。国家公務員はちょっと厳しいところがありますね。

なお、国家公務員の給料や残業事情を含む良い点・悪い点については、下記の記事で詳しく解説しています。

【暴露】国家公務員の良い点・悪い点を元職員が語る。メリット・デメリットをぶっちゃけます!
国家公務員のメリット・デメリットを、元国家公務員(内閣情報調査室)の奥田先生がぶっちゃけます。目指した理由、国政に関われるやりがい、仕事量の多さや残業代の実情、合う人・合わない人を紹介します。

各種手当:インパクトが大きいのは地域手当

筒井夢人
筒井夢人

次は各種手当です。給料以外に支給される手当はいろいろありますが、特にインパクトが大きいものは何でしょうか?

【奥田】
一番は地域手当ですね。地方に住んでいると存在自体を知らない方もいると思いますが、首都圏や政令指定都市など大きい都市で働いていると地域手当があります。

特別区は20%なので、僕が市役所から特別区に転職したとき、給料がガンと上がりました。給料・残業代・ボーナスの全部に影響して、トータルの年収が増えて驚きました。

手前味噌ですが、私のYouTubeチャンネルの「市役所から特別区に転職した時の感想5選」という動画でも給料の話をしていますので、ぜひご覧ください。

▼市役所から特別区に転職したときの給料の変化は、下記の動画で解説しています。

退職金:平均2000万円前後

筒井夢人
筒井夢人

次は退職金です。「定年退職した場合の退職金の平均額は2000万円前後」とあります。直近の統計でいうと、民間の大企業に匹敵する額ではないでしょうか。中小だと1000万円ぐらいだと思うので、中小の2倍近くあるというのは、人生設計にもインパクトがありそうですね。

【奥田】
民間も上を見るとキリがないですが、世の中全体で見ると2000万円は大きいです。「老後2000万円問題」もありましたが、退職金で2000万円もらえるのは結構大きい。あと、公務員には再雇用、いわゆる再任用があります。

定年退職後も希望すれば、現職のときの7〜8割の給料で働き続けられます。退職金ももらえて、場合によっては年金ももらえるので、老後は安泰だなと思いますね。

筒井夢人
筒井夢人

「人生100年時代」の中で、退職金が2000万円あって、退職後の再任用もあるというのは、かなり隠れた報酬と言っても過言ではないですね。

リストラ:AIに仕事を奪われにくい

【筒井】
最後に、表の一番下のリストラです。「リストラがない」というのは、今の時代潮流に即して言うと、AIに仕事を奪われにくいということでもあると思います。

Gravityの受講生にも、会社が生成AIを導入した結果、事務職員の人員削減が行われて公務員への転職を決意した、という人が結構います。

筒井夢人
筒井夢人

AI全盛の時代にあって、リストラがないというのはかなり大きいメリットだと感じますが、奥田先生はどう思われますか?

【奥田】
AIに仕事が代替されるのではと心配される方もいますが、公務員は慢性的な人手不足ですし、常に新しい社会課題が出てくるので、AIが出てきたから公務員がリストラ、というのは考えにくいと思います。

もちろん、国家公務員や県庁の一部の事務仕事が代替されることはあるでしょう。ただ、市役所や特別区などの基礎自治体では、住民と直に接してサポートすることがメインの仕事です。

住民と心と心を通わせて対応することは、AIに代替できないので、特に基礎自治体は絶対に代替できないと思っています。

筒井夢人
筒井夢人

対人援助職に近いところもありますしね。国や県庁で事務仕事が一部AIに代替されても、役所の場合は人事異動で別の部署に配属されるのが一般的だと思いますが、いかがでしょうか?

【奥田】
まさにそのとおりで、そのときは人手不足の部署に行くことになったり、新しい社会課題に対応する新しい部署が立ち上がったりします。人事異動でうまく調整するので、リストラはないだろうと思っています。

【筒井】
私たちもこれまで公務員試験をいろいろ研究し、過去の実例を見てきましたが、リストラは十中八九、いや十中十ないと考えていただいて大丈夫です。ぜひ安心してください。

隠れた報酬の正体

筒井夢人
筒井夢人

さて、最後です。冒頭でも触れた「隠れた報酬」。徳川埋蔵金ぐらいのノリで書かれていますけれども(笑)ここだけの話、隠れた報酬とは一体何だったんですか?

【奥田】
ああ、これね。結論から言うと、労働組合の仕事でしたね。別に活動家ではないのですが、僕がいた市役所では、先輩から誘われて代々後輩に引き継ぐ形で、みんなで労働組合の仕事もやっていたんです。市から認められた副業のような形です。

当時は2週間に1回、2時間ぐらいの会議に出れば、月4万円以上もらえました。20代後半で毎月4〜5万円は結構大きくて。

労働組合主催のイベントの運営を手伝うとそれも報酬が出たので、月によっては10万円ぐらい。当時としては家賃ぐらいになったんですよね。市役所に入ってから初めて知ったことで、ちょっと本には書きにくかったんです(笑)

もう1つ思い出しました。報酬ではなく別の収入ですが、市役所職員には共済貯金があります。都道府県ごとに運営されていて、金利が決まっているんです。

僕が市役所職員だったとき、銀行の金利は0.001%とかでしたが、共済貯金は1.4%ありました。100万円入れたら毎年101万4000円になって戻ってくる。通常の1000倍の金利です。

都道府県によっては1.5%や1.7%のところもあり、今はもっと上がっているかもしれません。銀行には入れずに共済貯金に入れて複利で回していく職員もいたので、これも臨時的な収入になっていましたね。

筒井夢人
筒井夢人

なるほど、複利の力ですね。アインシュタインが「人類最大の発明は複利だ」と言っていたと思いますが(笑)隠れていて見えにくいところでも、公務員は蓄財など、将来設計がしやすいところがありますね。

【奥田】
そうですね。選挙を手伝ったら1日5万円もらって、びっくりしたこともあります。市議会議員選挙、都議会議員選挙、区長選挙と、選挙は結構頻繁にありますからね。公務員には手当や見えない収入が細々ある、というのが伝えたかったところです。

筒井夢人
筒井夢人

隠れた報酬に嘘偽りなし、ということですね(笑)

奥田恭央
奥田恭央

はい、そうです。

公務員への転職を考えている皆さんへ

筒井夢人
筒井夢人

今回は、奥田本の待遇やお金にまつわる部分にツッコミを入れてきました。転職を決意するときに気になる方が多い部分だと思います。最後に、読んでくださっている皆さんに向けて一言お願いします。

【奥田】
今日お伝えしたとおり、公務員は安定的に働けるというのが一番の魅力だと思います。給料だけで見ればもっと高い民間企業もたくさんありますが、倒産なく、リストラなく働き続けられる。この安定こそが公務員の魅力です。

特に私は、自立したい女性にも公務員をおすすめしたいと思っています。これまでのGravityの合格者にも、アパレルや看護師、美容師から「長く働きたい」「自立したい」「安定したい」と公務員に転職した女性がいました。

人生設計を安定的に構築したい方には、公務員への転職は1つのよい選択だと本音で思っています。

公務員と民間のどちらに進むべきかについては、noteの「公務員と民間のどっちに行くべき?」で詳しく解説しています。

【筒井】
私からも一言。「地獄の沙汰も金次第」と申しますが、家族のため、自身のために、より良い待遇や給料を求めていくのは、人間にとって極めて自然なことです。

転職が当たり前となった昨今、そういった要素も加味したうえで、公務員への転職を検討してみてもよいのではないかと思います。ぜひ奥田本を「本当か?」と思いながらも参考にして、意思決定を下していただければと思います。

なお、公務員のボーナスについては、下記の記事で詳しく解説しています。

【何ヶ月分?】公務員のボーナスはいくら?実は民間より貰えます。
公務員のボーナスは何ヶ月分?特別区職員は年間4.9か月分(令和7年勧告)。地方公務員のボーナスはいくらか、民間企業や他の自治体との比較、減りにくい理由、住宅ローン審査に強い点を解説します。

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